ここまで切削加工について簡単に説明してきましたが、実際にはもっと
  たくさんの加工方法があり、特殊なものまで含めると無数存在すると
  いってよいでしょう。
  また、加工物の大きさや数量、加工精度等によっても加工の仕方は
  異なります。
  発注に際しては求める物が整合性をもって加工されることが望まれます。
  すなわち、Q.C.D(Quality, Cost, Delivery)の必要条件を満たす
  必要性があります。
  そこでいくつかの留意点を見てみましょう。

 1 加工物はどのくらいの大きさですか?
   まず、大きさですが、大きい物は10tトラックに載せないと運べないような
   大きな物から米粒よりも小さな加工物まで様々です。
   これらは大きさ、材料によって工作機械も工具も加工方法も全て異なりま
   す。
   加工工場にはそれぞれ適正な加工受け持ちのサイズがありますので発注
   の際に工場に対して適正なを発注になるのかをきちんと選択しなければな
   りません。
   ここを間違えるとコストが高くついたり、最悪の場合加工が出来ないと言う
   ことにもなりかねません。機械のサイズでおおむね加工サイズが決ります。
   ただし、「大は小をかねる」こともありますが、ムダを生じさせないためにも
   製品に見合ったサイズの工作機械で加工するのが望ましいでしょう。

 2 どれくらいのロット数で加工しますか?
   一度に製作する数量は1個からそれこそ数百万個と大変大きな幅がありま
   す。
   自動車や家電製品に使われる部品は量産工場で生産されます。
   この場合機械設備は、自動化、省力化に重点を置き品質の均一性とコスト
   の削減をはかります。
   一方、試作品のように1個だけ製作したい場合や形状や用途が特殊で加工
   精度が高く少量生産品に使用される部品は汎用性のある機械設備で、技
   能工が機械に張り付いて製作をすすめていきます。
   生産技術と加工技術の違い、技術と技能の違いについてよく把握することが
   大事です。

 3 加工精度のレベルは?
   加工精度は一般的にJIS粗級、中級、精級があり使用目的に応じたレベル
   で考える必要があります。
   よくあることですが、精級部品であるにもかかわらず図面に記載がなかっ
   た為に、せっかく製作したのに使用できなかったり、中級部品であるのに
   寸法不良を減らすためにと精級図面にしたりして無駄なコストをかけてしま
   うことがあります。
   品質は図面のとおりできているか否かであって加工精度のクラスとは別の
   問題です。

 4 材質による得て不得手を見極める
   加工する材質によっては切削条件や工具の材質、工具形状が異なります。
  どのような材質の加工が得意なのか確認する必要があります。加工に精通
  している人は工場の切粉置き場にいって切り屑をみればその会社の加工の
  内容が一目でわかります。
   加工職人の腕までもがわかってしまうほどです。
   ただこれは専門家でないとわからないことですからアドバイザーが必要です。

 5 どのような職人がいるのか、どのような協力会社があるのか?
   工作機械の設備だけではなく、どのような加工職人がいるのかも大事なこと
   です。
   加工には荒加工、中仕上げ、仕上げ、熱処理、めっきなどいくつもの加工行
   程があります。
   すべてひとりで行なうわけではありませんから、職人ひとりひとりの能力やそ
   の会社の外部協力集団の質がかたちとなって現われます。その会社の経営
   理念、戦略、方針も大事な要素となります。「人がものをつくる」ということを
   忘れてはなりません。