公差ってなに?基礎編

 開明製作所のような図面を用いての製造をする際にほぼ間違いなく出てくる言葉です。一言で言うと・・・

「許容される誤差」

                                       です。

 え?ものづくりをしてるのに誤差を許容していいの!?と思われるかもしれませんが、雑に作ってもOKにするだとかそういったものではありません。

まずは 「ものを作る以上、完璧に狙った長さになることは絶対にありえません」 ということを覚えて下さい。

 

 ちょっと数学的?なことを記載すると、私たちが40mmだとか、100mLだとか10kgなどの計測した数値を使う際は必ず「約」がつきます。計測器などで40mmぴったりと思うかもしれませんが、厳密には

「40.0000158965・・・・・mm」

というように数値が無限に続いています。しかし、そんな厳密に数値を求めるのも表現するのもそもそも村さん的にも絶対に取り扱いたくありません。・・・個人的な理由はともかく、今使っている大きさや重さなどの数値は厳密ではなく、大なり小なりとも大体の数値で取り扱っていることが分かって頂けたらと思います。

 

 

話は戻ります。ここまで読んだら物を作る以上、絶対に誤差が出てしまうということは理解できるかと思います。でもそうしたら、どこまでの誤差ならOKなの?という話になります。

図面に「ここの長さは40mm±0.1mm」「ここの長さも40mm±0.1mm」「ここは15mmの+0.05mmより小さくて0.1mmより大きい範囲」とかいちいち図面に書き込んでいたらとんでもなく見づらい図面になります。

そのために日本産業規格(旧:日本工業規格)。通称JISでは、この長さの誤差はこのくらいならOKにするという規格を作りました。一般的にそれを「サイズ公差」「普通公差」もしくは「一般公差」と言われ、様々な図面で使われています。現場では単に「公差」と呼んでいるところもあるようです。

【日本工業規格  JISB 0405-1991(ISO 2768-1 : 1989)普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差】より抜粋


例えば、長さ150mm、横が10mm、縦が5mmの直方体の図面に「JIS B 0409 精級での普通公差とする」とか書いてあったら
「長さは150±0.2mm」「横は10±0.1mm」「縦は5±0.05mm」までの誤差はOKとするという感じですね。

開明製作所では、精級よりも上。いうなれば「超精級」で加工をしています。その分、1個あたりの単価は高くはなってしまいますね。

最後に・・・

いかがだったでしょうか。普通公差のことを記事にしましたが、公差のことだけではなく、様々な加工会社があり、基本としている加工の精度だけでも同じ職種でも扱っている製品が多少変わってくるのが分かって頂けたらありがたいです。