開明ではどんな加工するの?~旋盤編~

 前回では開明製作所の作っているものを大雑把に記載しました。

 

 この記事では、開明が実際に使っている道具について簡単にまとめます。実際に開明の設備としては

 旋盤・卓上旋盤・NC旋盤・NC旋盤複合機・横フライス・縦フライス・ボール盤・タッピング盤、ネジ切加工機・・・などです。‘‘旋盤‘‘とつくものが開明製作所にあるだけでも4種類もありますね。今回は開明で取り扱っている旋盤を元にできることやそれぞれの違いについてざっくりとまとめます。

 

旋盤 (Lathe)

 上記の通り○○旋盤と様々な種類がありますが、基本的な構造はこの旋盤(せんばん)が基本になっています。現在では、プログラムで動かす旋盤を「NC旋盤」人の手で直接動かすものを「汎用旋盤」と分けて使われています。要は、自動か手動かですね。

 旋盤では、棒状の材料(ワーク)を固定し、高速回転をさせて工具で削る、いわゆる「切削加工」をします。弊社の旋盤では、三つ爪チャックを使用しています。一気に削ろうとすると工具が折れたり、ワークが破損したりと不具合が出てしまうので少しずつ削ります。

 大根の桂剥き(リンゴの皮剥き)のように外径を削ったり、ドリルで開けた穴を削って穴に工具を入れて穴を広げたり、穴を空けた後にネジを入れるための溝を入れたり、加工した部品を最後に切り落としたり様々な加工をします。硬い金属を皮剥きみたいにするのはなんだかすごいですよね。

 旋盤は、回転数を変更できます。なぜそのようになっているかというと、材料の硬さや大きさ、工具の種類などで旋盤の回転数を変えなければならないからです。
「柔らかいワーク(アルミ)の時は回転数を上げて削ったときの熱でワークと切り屑(切り粉)がくっつかないようにしよう!」
「硬いワーク(ステンレス)だから回転数を下げて工具が壊れないようにしよう!」
と、いった具合ですね。もちろん細かいことをいうと回転数だけでなくワークの材質や太さや長さ、性質に合わせて工具も変えたり、工具を動かす速度を変えたりなど様々な条件を変えるので回転数の調整だけでなんでも切削できる訳ではありませんが、回転数を変えるのにも理由があることをここでは知ってもらえたらと思います。

卓上旋盤(Bench Lathe)

 卓上と記載されている通り、机の上に置ける小さいサイズの旋盤と考えて下さい。なので↑の旋盤に比べると加工できるサイズも小さめになりやすいです。

 開明で使用している卓上旋盤は、必ずコレットチャック(ワークを固定するもの)を使用します。ワークのサイズ毎にコレットチャックを用意しないといけないのは少し大変なところかもしれないですね。

 ワークをコレットチャックで掴んで固定し、回転をさせます。そして工具(画像のは開明で手研ぎで独自に作っている物)の台を左右と前後に動かし、削ります。見ての通り機械制御ではありません。どれくらい動かしたかの目盛りもありません。開明では、正確な切削で使うというより、バリ(加工の際にできる残留物、余計な部分)の除去、端面削り、内径面取りなどで使っています。

 卓上旋盤も旋盤と同じく回転数の変更が出来ますが、モーターに繋がっているプーリーの溝にベルトをかけ直す必要があるので多少手間がかかるかもしれませんね。

CNC旋盤・NC旋盤

 NC(Numerical Control)旋盤
CNC(Computer Numerical Control)旋盤

上記が正式名称になっています。共通しているのは「数値制御」の部分です。そこにコンピュータの文字があるか無いかの違いですね。

現在ではCNCもNCどちらもNCと呼ばれている印象です。違いは、コンピューター制御かそうでないかの違いです。

 NCが作られてからCNCが開発されるのはとても早かったようです。Wikipedia参照
 コンピュータが未登場だった初期のNC機は紙テープや磁気テープの情報を読み取って稼働していたようですね。そこにコンピュータが加わり、今のプログラムを組んで自動で切削するという形になりました。

汎用旋盤とは違い、機種によってはワークではなく工具を回転させて切削することも可能なので、そこも大きな違いではないでしょうか。

 プログラムについては開明で使用している機種のものにはなりますが、簡単なものを掲載する予定なのでここでは「旋盤を手動ではなくプログラムで動かしてるんだなー」程度の理解で大丈夫です。

最後に・・・

 いかがでしたでしょうか。どの旋盤も「棒状のワークを回転させて切削する」ことが基本です。回転させて切削する性質上、平たい板に穴を空けたり切断したり、折り曲げたりすることは出来ません。めちゃくちゃ無理をすればできなくもないのかもしれないですが、あまり一般的ではないです。

 途中「バリ」「端面」「内径面取り」など聞きなれない言葉が出てきたと思います。今回は削る刃物のことを「工具」と一律に記載しましたが、工具にも様々な名称があるためこれからの記事で少しずつまとめが出来ればと思います。

 注意して記載しているものの、表現を変えすぎて意味が異なっている。誤字脱字などがありましたら教えて頂けるとありがたいです。

NEXT・・・開明ではどんなものを加工するの?~ワーク編~

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