汎用旋盤の機構(基礎編~主軸台~)
今回は旋盤の機構について簡単にまとめをします。様々な会社様の旋盤があるのですが、開明製作所では、京葉の「KG670A」という機種で機構の基礎を説明していきます。
旋盤は大きく分けて「主軸台」「往復台」「心押台(しんおしだい)」「ベッド」の4つの構造に分けれています。更にそれぞれの構造にも様々な機能や名称がにあるので今回は「主軸台」についてまとめようと思います
はじめに・・・各パーツの名称
上記の通り、旋盤は大きく分けて「主軸台」「往復台」「心押台」「ベッド」の4種類に分かれています。心押台は芯ではなく心の方なのが結構間違いやすいところですね。
KG670Aで見ると写真のようになります。
主軸台…ワークを掴んで回転させる機構
往復台…刃物がある機構
心押台…※振れ対策やドリルを取り付ける機構
ベッド…往復台や心押台をのせるレールのような機構
と、ひとまずは覚えておいてください。
※振れ・・・回転しているワークが遠心力で横から見ると上下に揺れている状態。このまま加工するとワークの先と根本でサイズ(寸法)が変わることがある(詳しくは後日記載)
主軸台の名称と機能
主軸台の機能を大まかに分けると写真のようになります。主に回転に関係する機構がここに集結していますね。
機種によっては、主軸台にレバーの数これより多かったり、逆に少なかったり、切りくずの飛散防止でカバーがついてたりしているものがあります。
※今回は基礎なのでネジ作成時の機能はざっくりとまとめます。(後日詳細記載予定)
主軸台のそれぞれの機構の名称と使用方法
主軸
主軸にチャックを付けてワークを掴みます(チャッキング)。
チャックの種類は「三つ爪」「四つ爪」「五つ爪」など様々ありますが、当社のチャックは三つ爪チャックを使っています。汎用旋盤で軸の形状の加工する会社は三つ爪が多いのではないでしょうか。
理由として、全ての爪が連動して締め付ける機構になっている為、心出し(回転した時にブレない状態)ができやすいためです。四つ爪チャックはそれぞれの爪を動かしてワークを締め付ける為、心出しにはコツがありますが、四角形や左右非対称のワークのチャッキングをして加工することに向いています。
「主軸速度変換レバー」「主軸高低速切替レバー」
回転数を変えるところです。
左にある「主軸高低速切替レバー」を上から撮った写真だと+と―が書いてあります。
+は高速。-は低速です。
※下の方を向いているレバーはネジ作成時に使用するので今回は取り上げません。
右にある「主軸速度変換レバー」の向きの組み合わせで回転数が変わります。1200と書いてあるのは毎分1200回転です。(画像のだと300回転になってます)
最速で1秒間で20回転もしています。当社の旋盤は少し年季の入った機械なのでこれでもゆっくりな方だと思います。
手袋なんかが巻き付いたら一瞬で大惨事になるのが分かりますね。なので加工中は軍手や手袋などはしてはいけないとしている会社が多いです。
始動レバー
すみません。ここに関しては正式な名称が分からず&思い出せずなので仮に始動レバーとしてます。(正式名教えて…)
要は、主軸を回転させるためのレバーです。回転方向に「正」「停」「逆」と記載されています。それぞれ・・・。
正…正転(せいてん)チャックを正面にみた
ときに反時計回りに回転します
停…停止、主軸の回転が止まります。
逆…逆転、正転とは反対の向きに主軸が回
ります。止めるときにうっかり行き過
ぎて逆転させてしまうのは初心者はや
りがちな気がします(私はやったこと
あります)
ネジ切ダイヤル・レバー
細かく記載するとなかなかの量の文字になるので今回は「ネジの溝を作る時につかうもの」と考えて頂ければと思います。
ネジを作成時に主軸の回転と刃物の動きを常に一定にして綺麗な溝にするために使います。「※送り速度」と「主軸の回転」を同調させる機能ですね。
溝の幅はどれだけにするのか、mm幅で削るのかインチ(海外基準)で削るのかだとかそういった調整が出来ます。
※送り速度=刃物の移動する速度。詳しくは後日記載
最後に・・・
いかがでしょうか。汎用旋盤の機能や機構については機種によって様々ですが、回転数を変えたり、ネジ作成時に使うもの、回転の始動など、機能的なものが集約されています。
次回は、公差について記載しようと思います。